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■矛盾追及、薄氷の捜査
「証拠や供述の具体的内容は、お答えしかねる」 埼玉県警東入間署での記者会見。1日午前、木嶋佳苗容疑者(35)の逮捕会見に臨んだ桜井雅彦捜査1課長は、緊張した面持ちでおもむろに切り出した。 犯行動機や他殺と判断した理由など多くの質問に対し「具体的には話せない」「申し上げられない」などと明快な回答を避けた桜井1課長。会見終了後、ある捜査幹部は思わず「言えないことが多かったな。情けないよね」とこぼした。 なぜ話せないのか。 背景には、これまでの事件捜査で最重要視されてきた自白はもちろん、木嶋容疑者と、大出嘉之さん=当時(41)=の殺害とを結びつける直接的な証拠がなく、状況証拠のみで容疑を固めざるを得なかった捜査事情が垣間見える。 ◇ 昨年8月6日に大出さんの遺体が発見された当初から「事件性が高い」とみていた埼玉県警。同月中旬には、大出さんと交際していた木嶋容疑者を捜査線上に浮上させていた。 捜査は水面下でひそかに進められた。が、まもなくその方針を変えざるを得ない状況が発生した。木嶋容疑者が埼玉県ふじみ野市の男性に接触、結婚話をちらつかせていることが分かったのだ。さらに急に金遣いが荒くなったことも判明。 「また金をだまし取ろうとしているのではないか」。懸念した県警は9月上旬、木嶋容疑者に対し任意の事情聴取を行った。 木嶋容疑者は落ち着いていた。大出さんの不審死を問われると、遺体発見前日に駐車場で一緒だったことは認めつつ「けんかして別れた。そのショックで自殺したのでは」と説明。行動確認のため、常に木嶋容疑者に張り付いていた捜査員には「これからあそこに行くの」と声を返す余裕さえあった。 「相当、ずぶとかった」と捜査幹部。自供は期待できない−。県警がそう結論づけた9月中旬、木嶋容疑者は新たに結婚相手紹介サイトで男性(46)と知り合い、同居を始めた。「このままでは次の被害者が出る」。県警は9月25日、別の詐欺容疑で木嶋容疑者の逮捕に踏み切る。 ◇ 逮捕当初は渋々話をしていた木嶋容疑者。だが、10月下旬に弁護人が交代すると態度が一気に硬化した。自供はなく、殺害を示す決定的な証拠もない。立件へ向け県警に残された手法は「木嶋容疑者しか犯行をなし得なかった」ことを確実に立証することだった。 県警は遺体から検出された睡眠導入剤の成分などから薬を摂取した時間を絞り込み、練炭に火が付いたとみられる時間帯はすでに昏睡(こんすい)状態だったと結論づけた。 犯行に使われたレンタカーのカーナビゲーションシステムなども照合し、「けんか別れした」という木嶋容疑者の説明と矛盾点を探った。 さらに、事件当日夜に現場近くから木嶋容疑者によく似た女がタクシーに乗り込んだことも確認。大出さんの遺体からは、木嶋容疑者が処方されていた睡眠導入剤と同じ成分を検出した。県警幹部は「総合的に判断して、木嶋容疑者以外が犯行を行うことは不可能と証明できる」と自信を見せる。 ただ、疑惑はこれだけではない。木嶋容疑者の周辺では大出さん以外にも3人の男性が不審な死を遂げている。このうち2人は当初事件性がないと判断され、司法解剖をしていない。「大出さん事件は、最も立件しやすい事件だった」と話す捜査関係者もおり、残る疑惑の立件に困難なハードルが待ちかまえているのも事実だ。 「埼玉で殺人容疑で逮捕された以上、木嶋容疑者は逃げない。焦る必要はない」。木嶋容疑者が訪問ヘルパーをしていた千葉県野田市の安藤健三さん=当時(80)=の不審死の立件を視野に捜査している千葉県警の幹部は、こう話している。 ◇ 連載は西尾美穂子、行場竹彦、清作左、豊吉広英、今村義丈が担当しました。 ・ 天皇陛下、風邪や腹痛などで葉山静養取りやめ(読売新聞) ・ 最年少の女流プロ棋士、藤沢名誉棋聖の11歳孫(読売新聞) ・ 連続不審死、女を埼玉の殺人容疑で再逮捕(読売新聞) ・ <交通事故>コーヒー店にタクシー突っ込む 京都・左京区(毎日新聞) ・ <地域委員選挙>ピンチ 参加申請3.3% 名古屋(毎日新聞) PR |
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